2011年10月〜12月

 

日程
Journal Club
Progress report

 

(8:30~9:30)
(9:30~12:00)

2011年(平成23年)

 

Group-1
Group-2
11月25日(金)
  • 担当者:羽賀 栄理子
  • 論文:
  • 要約:
  • 千住
  • 池田
  • 高松
  • 冨田
  • 羽賀
  • 湯野
11月18日(金)
  • 担当者:矢津田 旬二
  • 論文:T Cell Surveillance of Ongogene-Induced Prostate Cancer Is Impeded by T Cell-Derived TGF-β1 Cytokine
    Moses K. Donkor, et al.
    Immunity 35: 123-134, 2011(July)
  • 要約:
  • 塚本
  • 木庭
  • 西方
  • 矢津田
  • 黒田
11月11日(金)
  • 担当者:黒田 泰弘
  • 論文:Forced Expression of HLA-DM at the Surface of Dendritic Cells Increases Loading of Synthetic Peptides on MHC Class II Molecules and Modulates T Cell Responses
    Abdul Mohammad Pazeshki, et al.
    The Journal of Immunology 187: 74-81, 2011 (July)
  • 要約:癌抗原由来のCD4、CD8T細胞エピトープを負荷させた樹状細胞の養子 移入は、癌細胞の免疫治療において有望な方法の一つである。筆者らは治療効果のあるMHCクラスII分子と合成ペプチドの複合体を増加させる実験を試み、 リソソームに移行させるシグナルを欠損させたHLA-DMの変異体(DMY)を用いて、細胞表面にHLA-DMを蓄積させた。HLA-DR+細胞にDMYを遺伝子導入すると、外から培養液に加えたHA307-318ペプチドの付加と、HA特異的なT細胞を活性化するような刺激が増加した。また、ヒトとマウスの樹状細胞にDMY遺伝子を導入すると、DMYはそれぞれの癌抗原由来gp100174-190ペプチドとHEL48-61ペプチドのHLAクラスII分子複合体を増加した。興味あることに、抗原提示細胞の細胞表面にDMYを発現させるとTh1へ分化した。最後に、筆者らはDMY+とDMY-と では、ペプチド-MHCクラスII分子複合体の微小な構造の差をもたらすことを発見した。これらをまとめると、樹状細胞の形質膜上にHLA-DMYを過剰 発現させることにより、細胞ワクチンに用いる樹状細胞のCD4T細胞エピトープの提示が質的、量的に変化して、癌治療効果が改善することが期待される。
  • 冨田
  • 羽賀
  • 湯野
  • 池田
  • 高松
11月4日(金)
  • 担当者:入江 厚
  • 論文:Mechanisms of antigen presentation to T cells in murine graft-vs-host disease: crosspresentation and the appearance of cross-presentation
    Xiaojian Wang, et al.
    Blood Prepublished online September 30, 2011
  • 要約:宿主の抗原提示細胞(APC)は、宿主のマイナー組織適合 抗原(miHA)をドナーのCD8陽性T細胞に直接提示して、移植片対宿主病(GVHD)を引き起こす。しかし移植後、宿主のAPCがドナーのAPCに置 き換えられてからも、APCの刺激によりCD8陽性T細胞が病原性を発揮するためには、ドナーAPCが宿主のmiHAをクロスプレゼンテーションする必要 がある。ドナーAPCがMHC-I-であると、CD8陽性T細胞によるGVHDの症状が軽くなることは、これを支持するものである。著者らは、MHC-I Kbに提示されることが知られているmiHAを発現するマウスと、Kbを 欠損するマウスとを交配し、そのmiHAが宿主のAPCによって直接提示されることがないような系を用いてクロスプレゼンテーションの解析を行った。その 結果、miHAを発現する細胞が、血球系であれ非血球系であれ、クロスプライミングは驚くほど有効であることがわかった。クロスプライムされたCD8陽性 T細胞は、細胞傷害性を有し、かつIFN-γを産生した。CD8陽性T細胞は、ドナーのCD11c+細胞によってのみ活性化され、 I型IFNとCD40Lの刺激があると最も効率よくクロスプライミングされた。ドナーAPCのいずれがmiHAを取り込むか調べたところ、驚いたことに、 MHC-I-ペプチド複合体を含む大量の膜タンパク質が、照射された宿主からドナーの樹状細胞(DC)やその他の細胞に輸送されていた。宿主のMHC- I-ペプチド複合体を取り込んだドナーDCは、そのペプチドに特異的なT細胞を強く活性化した。本研究により、GVHDの治療に役立つ新たな標的が同定さ れるとともに、ドナーAPCが宿主に反応するT細胞を活性化する新たなメカニズムが明らかとなった。
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • 木庭
  • 西方
10月28日(金)
  • 担当者:西方 龍太郎
  • 論文:Different patterns of peripheral migration by memory CD4+ and CD8+ T cells
    Thomas Gebhardt, et al.
    Nature 477: 216-219, 2011(Sep)
  • 要約:皮膚などの末梢組織の局所感染により、感染防御に働くT細 胞応答のプライミングが起こる。活性化したT細胞は、所属リンパ節で組織への遊走を誘導するためのインプリンティングを受け、その結果、局所的および全身 的な防御を与えるメモリーT細胞が生じる。移動性および常在性のメモリー T細胞の組み合わせが、特に体内への病原体の侵入部位となる皮膚や粘膜の表層部においては、長期にわたる末梢組織における感染免疫の成立に寄与していると 考えられている。T細胞免疫は、CD4+ヘルパーT細胞とCD8+キラー T細胞により構成されている。しかしながら、これらのサブセットにおける、末梢の免疫監視に関与する移動性をもつ集団を形成する能力、あるいは局所感染に 重要な個々の常在性の集団を形成する能力についての違いについては調べられていない。今回著者らはマウスを用いて、単純ヘルペスウイルスによる皮膚感染後 のメモリーCD4+T細胞およびCD8+T細胞の遊走能と組織局在における重要な違いを明らかにしている。感染から回復すると、皮膚には2種類の異なるウイルス特異的メモリー T細胞サブセットが含まれていた。一つは表皮に常在し、最初の感染部位にほぼ限定された動きの遅いCD8+T細胞集団と、もう一つは、より幅広い再循環パターンの一環として真皮を通って速やかに移動する活動的なCD4+T細胞集団である。再循環しているCD8+T細胞と比較して、CD4+TEM細胞にはホーミング分子の独特な発現パターンがあり、CD4+TEM細胞は、優先的に炎症部位へ遊走する。これらの結果は、CD4+T細胞 およびCD8+T細胞 サブセットについて、今まで見逃されてきた機能的な違いを明らかにしている。
  • 千住
  • 池田
  • 高松
  • 冨田
  • 羽賀
  • 湯野
10月21日(金)
  • 担当者:冨田 雄介
  • 論文:A human memory T cell subset with stem cell-like properties
    Gattinoni L, et al.
    Nature medicine 17: 1290-1297, 2011(Sep)
  • 要約:免疫学的記憶は、抗原暴露の際にエフェクター細胞に分化す ることができる、幹細胞様の自己複製能を有するリンパ球に依存すると考えられている。著者らは、高い自己複製能を有し、セントラル・メモリー、エフェク ター・メモリーおよびエフェクター細胞に分化することができる多分化能を有する、長期間生存する幹細胞様T細胞分画を同定した。これらの細胞は、 CD45RO-、CCR7+、CD45RA+、CD62L+、CD27+、CD28+、およびIL7Rαの ナイーブT細胞の特徴を有する分画に存在した。しかし、同時にCD95、IL2Rβ、CDCR3およびLFA-1を強く発現し、メモリー細胞の様々な特徴 を示した。既知のメモリー細胞分画と比較し、著者らが同定した分画のリンパ球は増殖能が高く、免疫不全マウス内での長期生存していた。さらに、この実験系 において、他のリンパ球分画よりもすぐれた抗腫瘍効果を示した。今回著者らによるヒト幹細胞用メモリーT細胞分画の同定は、ワクチンやT細胞療法の治療戦 略に直結した影響を及ぼす発見である。
  • 塚本
  • 木庭
  • 西方
  • 矢津田
  • 黒田
10月14日(金)
  • 担当者:湯野 晃
  • 論文:Autocrine IL-2 is required for secondary population expansion of CD8+ memory T cells
    Sonia Feau, et al.
    Nature Immunology 12: 908-913, 2011(Sep)
  • 要約:CD8陽性ナイーブT細胞のプライミングとメモリーT細胞の産生における CD4陽性T細胞の役割について2つの理論が議論されてきた。一つは分泌されたIL-2のパラクリン作用であり、もう一つはCD40-CD40Lを介した APCの活性化である。著者らはin vivo においてCD8陽性メモリーT細胞の産生に必要なIL-2の供給源がCD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞、DCのいずれであるのかについて検討を行った。 その結果、CD4陽性T細胞やDCよりもむしろCD8陽性T細胞が産生するIL-2が重要であることを発見した。IL-2遺伝子を標的破壊されたCD4陽 性T細胞は、CD40Lを介したシグナルを伝達する場合にのみ、CD8陽性メモリーT細胞の産生を助けることができた。つまりCD4陽性T細胞はCD40 に依存したメカニズムでAPCを活性化することにより、CD8陽性T細胞によるIL-2のオートクリンな産生を助けており、その結果としてCD8陽性メモ リーT細胞が産生される。
  • 冨田
  • 羽賀
  • 湯野
  • 池田
  • 高松
10月7日(金)
  • 担当者:塚本 博丈
  • 論文:Myeloid-derived suppressor cells are implicated in regulating permissiveness for tumor metastasis during mouse gestation
    Laetitia A. Mauti, et al.
    The Journal of Clinical Investigation 121: 2794-2807, 2011(July)
  • 要約:妊娠の際に、父親由来のタンパク質を発現する胎児は母親の体内で拒絶され ることなく育つ。これは母体内で父親由来のアロ抗原に対して免疫寛容が成立しているためと考えられる。この現象は生来我々が有している免疫寛容機構の代表 的なものであり、このメカニズムの解明は、反復流産の治療、自己免疫応答の抑制、担癌固体における免疫抑制状態の回避への臨床応用のためのヒントとなり得 るはずである。本論文で筆者らは、妊娠に伴う母子間免疫寛容が、がんの進行へ及ぼす影響を検討することにより、母体内で誘導される免疫抑制のメカニズムに ついて考察している。妊娠時にがんを患うケースは稀であるが、乳がんなどでは非妊娠の場合に比べ、妊娠、出産後の15年生存率が低いとの報告があり、この 現象は母体の免疫抑制が関与する可能性も考えられている。筆者らは非妊娠の個体に比べて、妊娠時にはがん細胞の転移が促進されることをマウスの実験より示 している。さらに、ミエロイド系抑制性細胞(MDSC)が母体内で増加していることを見出し、その標的となるNK細胞の細胞傷害性活性を強く抑制すること を示した。これらの結果より、筆者らは、妊娠時におけるMDSCによるNK細胞の活性化抑制に伴う腫瘍転移の促進が、妊娠時のがんの予後不良の原因となる 可能性を示唆している。妊娠時の母子間免疫寛容において、NK細胞の活性化が抑制されていることは既に報告されているが、本論文では新たに、MDSCによ るNK細胞の活性化抑制が、母子間の免疫寛容に寄与している可能性を提唱している。

 

  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田

 

  • 木庭
  • 西方

 

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