2013年4月~6月

日程

Journal Club
(8:30~9:30)

Progress report
(9:30~12:00)

2013年 平成25年)

 

Group-1

Group-2

6/28(金)
  • 担当者:今村 悠哉
  • 論文:GATA-3 controls the maintenance and proliferation of T cells downstream of TCR and cytokine signaling
  • Yunqi Wang, et al.
  • Nature Immunology 14: 714-722, 2013 (May)
  • 要約:GATA-3はTh2分化の重要な転写因子であるが、T細胞におけるその他の作用についてはよくわかっていない。そこで本論文において著者らはCD8T細胞におけるGATA-3の役割について示した。CD8T細胞においてGATA-3ノックアウトとなるCd4-Cre–Gata3fl/fl miceを用いた。GATA-3はCD8T細胞に恒常的に発現しており、TCR、IL-2やIL-4の刺激により高発現となったが、CD4T細胞と異なり、IL-4の刺激によりIL-4の産生は増加しなかった。また、GATA-3はCD4⁺T細胞と異なり胸腺内のCD8⁺T細胞の分化には影響を認めなかった。しかし末梢においてGATA-3ノックアウトマウスはCD8T細胞を長期間維持することができず、ウイルス感染の実験系では特異的なCD8T細胞はほとんど認めず、GVHの実験系ではコントロール群と比較しCD8T細胞の増殖は非常に乏しかった。これらの原因を調べたところ、ChIPアッセイによりGATA-3はCD8T細胞においてIL-7R、c-Mycの発現をコントロールしていることが示された。以上の結果よりGATA-3はIL-7R、c-Mycの発現を上流でコントロールしており、末梢におけるCD8T細胞のlong-term maintenance, growth, function, proliferationに重要な因子であると結論付けた。
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
6/21(金)
  • 担当者:平山 正敏
  • 論文:Relapse or Eradication of Cancer Is Predicted by Peptide-Major Histocompatibility Complex Affinity
  • Boris Engels, et al.
  • Cancer Cell 23: 516-526, 2013(April)
  • 要約:in vitroの実験で腫瘍特異的なT細胞が腫瘍を殺傷することが確認されrている場合でも、in vivoの実験でそのT細胞を養子免疫した場合には腫瘍が再発することがあることを我々はしばしば目撃する。この論文では、筆者はCD8+ T細胞を養子免疫を行った場合、ターゲットとするペプチドとそのペプチドが結合するホストのMHC class I 分子の親和性が腫瘍の消失や再発に関連することを述べている。具体的には、ペプチドとMHC class I 分子の親和性が10nM以下であると(親和性が高い程)腫瘍の再発率が低いことが示されており、その理由としてはペプチドとMHC class I 分子の親和性が高い程、腫瘍周囲の間質細胞はペプチドをクロスプレゼンテーションしCD8+ T細胞を刺激する能力が高いことが示唆された。
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山
6/14(金)
  • 担当者:MD Abu Sayem
  • 論文:IL-7 signaling must be intermittent, not cotinuous, during CD8+T cell homeostasis to promote cell survival instead of cell death
  • Motoko Kimura, et al.
  • Nature Immunology 14:143-151, 2013(Feb)
  • 粟井
  • Sayem
  • 矢津田
  • 黒田
6/7(金)
  • 担当者:池田 徳典
  • 論文:
  • 要約:
  • 湯野
  • 平山
  • 池田
  • 今村
5/31(金)
  • 担当者:矢津田 旬二
  • 論文:Similar antigen cross-presentation capacity and phagocytic functions in all freshly isolated human lymphoid organ-resident dendritic cells
  • Elodie Segura, et al.
  • The Journal of Experimental Medicine 210:1035-1047, 2013(Apr.)
  • 要約:抗原提示細胞を代表する樹状細胞(DC)は、二次リンパ組織内で免疫反応を誘導し、維持する。マウスにおいて、リンパ組織に存在するCD8+DCはクロスプレゼンテーション能力が高く、エンドサイトーシス経路が特異的に発達している(高いpH、低い分解能、細胞質への効率的な輸送)。ヒトでは血中BDCA3+DCがマウスCD8+DCのホモログであることが近年示された。それらのDCはin vitroでの活性後に、他の血中DCよりも効果的に抗原をクロスプレゼンテーションすることが示されており、そのことからヒトでのクロスプレゼンテーションはある種のDCでのみ行われることが示唆された。しかしながら、クロスプレゼンテーションを行うDCは、生理的にリンパ組織に存在する。本論文で筆者らは、扁桃腺に存在するBDCA1+DC、BDCA3+DC、形質細胞様DC(pDC)を分離し、活性化を行わない状態で、マクロファージと比較して可溶性抗原を効率よくクロスプレゼンテーションすることを示した。加えて、BDCA1+DCとBDCA3+DCはファゴソーム内のpHと、ファゴソーム内の活性酸素の産生量が同じであることが示された。前記三つのDCは全て、マクロファージと比較すると細胞内に取り込まれたタンパクを効率よく細胞質へ輸送する。リンパ組織内に存在するヒトのDCは、マクロファージを除いて高いクロスプレゼンテーション能力を持っている、と著者らは結論付けた。
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
5/24(金)
  • 担当者:入江 厚
  • 論文:Highly divergent T-cell receptor binding modes underlie specific recognition of a bulged viral peptide bound to a HLA class I molecule
  • Yu Chih Liu, et al.
  • The Journal of Biological Chemistry 112:447185, 2013(Apr.)
  • 要約:HLA-I分子は長いペプチドでも提示しうるが、その場合のpHAL-I複合体の有り様をどうやってTCRが認識するかについては不明である。著者らは、HLA-B*35:08から「超突出」するウイルスペプチド(LPEPLPQGQLTAY)に、異なる3種類のヒトTCR、CA5、SB27、SB47が、それぞれどのように結合するか、その結合様式を比較した。CA5とSB27は、HLA-B*35:08とはあまり接触しないようにペプチドの中央をまたいでHLA-B*35:08LPEPと会合する点で同様であった。注目すべきことに、CA5TCRはHLA-B*35:08のα1へリックスとは全く接触していなかった。CA5とSB27のCDR3βループの違いにより、両者の詳細な特異性の違いが賦与されていた。驚くべきことに、SB47TCRは全く異なる結合様式、すなわち「超突出」するペプチドを「無視」してHLA-B*35:08の最N末端領域と接触する形でHLA-B*35:08LPEPと会合していた。このドッキング様式でTCRと接触するHLA-I上のアミノ酸残基は、これまでに知られているTCR接触部位とは全く異なるものであった。これら3つのTCRは、近縁の別のHLA-Iに対して、異なるアロ反応性を示した。以上より、ヒトT細胞のレパトアは、突出したペプチドを持つpHLA-Iエピトープに対して、全く予測不可能な様式で結合し、HLA-I上の予想外のアミノ酸残基と接触するものを内包することが明らかとなった。
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山
5/17(金)
  • 担当者:粟井 博丈
  • 論文:T-helper-1-cell cytokines drive cancer into senescence
  • Heidi Braumüller, et al.
  • Nature 494: 361-365, 2013 (Feb.)
  • 要約:細胞傷害の機構とアポトーシスの誘導が、適応免疫によるがんの制御に関与する機構として一般的に考えられている。しかし、T細胞やIFN-γによって、がんの指数関数的増殖を効率的に阻害するには、がん細胞増殖を停止させる別の機構の存在が考えられる。本論文で筆者らは、TH1サイトカインであるIFN-γとTNF-αが、細胞傷害性T細胞やアポトーシスによる細胞死に依存しないで、がん細胞の永続的な増殖停止を直接誘導することを示した。この腫瘍免疫によって誘導されたがん細胞の増殖停止(細胞老化)をがん遺伝子誘導性の老化から間違いなく区別するために、筆者らは、ラットインスリンプロモーターの制御下で発現させたSV40ラージT抗原(Tag)が、p53およびRbを介した細胞周期調節の減弱によって腫瘍を形成させるというマウスモデルを用いた。IFN-γとTNF-αを組み合わせてがん細胞を処理すると、G1/G0における永続的な増殖停止、p16INK4aに加えてSTAT1とTNFR1シグナル伝達が必須であることを示している。in vivoにおいても、Tag特異的TH1細胞は、IFN-γおよびTNFR1依存的な老化を誘導することによってTagを発現しているがんを永続的に停止させ、老化したがん細胞は再びマウスへ移植しても増殖することはなかった。反対に、Tnfr1-/-Tagを発現しているがんは、TNFR1を発現する宿主においてさえ、サイトカイン誘導性の老化に抵抗性を示し、急激に増殖する。IFN-γとTNF-αは多数のマウスおよびヒトのがんに老化を誘導することから、これはがんの進行を停止させるための新たなメカニズムであると考えられた。
  • 粟井
  • Sayem
  • 矢津田
  • 黒田
5/10(金)
  • 担当者:湯野 晃
  • 論文:Secondary T-cell-T cell synaptic interactions drive the differentiation of protective CD8+ T cells
  • Audrey Gérard, et al.
  • Nature Immunology 14: 356-363, 2013 (Mar.)
  • 要約:ナイーブCD8陽性T細胞は、プライミングを受けエフェクター機能を獲得しメモリー細胞へと分化していく。T細胞のプライミングはAPCとの免疫シナプスを介して起こる。様々な段階でシナプス形成を阻害することにより、CD8陽性T細胞の分化にはAPC以外の細胞との相互作用が必要であることがわかった。それはプライミングを受けたT細胞間の相互作用であった。その相互作用は、メモリーCD8陽性T細胞の形成において重要な役割を持っていた。T-Tシナプスを形成するT細胞はIFN-γをシナプスに分泌することでサイトカインを共有し、T細胞の分化を制御している。
  • 冨田
  • 湯野
  • 平山
  • 池田
  • 今村
4/26(金)
  • 担当者:今村 悠哉
  • 論文:Persistent antigen at vaccination sites induces tumor-specific CD8+ T cell sequestration, dysfunction and deletion
  • 著者:Yared Hailemichael, et al.
  • Nature Medicine 19: 465-472, 2013(Mar.)
  • 要約:癌ワクチンは近年のクリニカルトライアルにおいて有用な結果を示しているが、多くのワクチン投与された患者は癌細胞に特異的なT細胞を多数誘導できているのにもかかわらず腫瘍が縮小しないことがあるのかという問題がある。今回クリニカルトライアルで一般的に使用されている不完全フロイントアジュバンド(IFA)を用いてマウスの実験を行った。ペプチド/IFAワクチンは腫瘍特異的なCD8+T細胞を誘導するが、誘導されたT細胞は腫瘍ではなくペプチドが分解されずに残っているワクチン投与部位に集積していた。また、一旦誘導されたT細胞は機能不全となり、アポトーシスを促すINF-γやFasLによってアポトーシスを起こし、その後のワクチンへの反応低下を引き起こした、CD40モノクローナル抗体、TLR7アゴニスト、IL-2の投与によってT細胞のアポトーシスは減少したが、T細胞がワクチン投与部位に滞留することは改善できなかった。非持続性のワクチンはT細胞を腫瘍へと向かわせ、T細胞の機能不全を引き起こすことなく高い抗腫瘍効果を示し、メモリーT細胞の形成も促進する。一方持続的なワクチンは特異的なT細胞の機能不全、減少、ワクチン投与部位への滞留を引き起こす。今後非持続性で生体内で速やかに分解されるワクチンアジュバンドの開発が望まれる。
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
4/19(金)
  • AACR報告会
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 冨田
  • 湯野
  • 平山
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