2013年7月~9月

  

日程

Journal Club
(8:30~9:30)

Progress report
(9:30~12:00)

2013年 平成25年)

 

Group-1

Group-2

9/27(金)
  • 担当者:平山 真敏
  • 論文:Notch Simultaneously Orchestrates Multiple Helper T Cell Programs Independently of Cytokine signals
  • Will Bailis, et al.
  • Immunity 39: 148-159, 2013(July)
  • 要約:Notchシグナルが、末梢におけるヘルパーT細胞のTh1やTh2などのサブセットへの分化に関与していることはこれまでも述べられてきた。今回、筆者らはNotchシグナルがヘルパーT細胞の分化を制御するメカニズムについて検討しており、Notchシグナルは、Th1、Th2、Th17に特徴的な転写因子であるTbet、Gata3、RoRgcの発現やTh1、Th2、Th17サイトカインの産生をグローバルに制御していることが示された。これらの転写因子やサイトカインは細胞周囲のサイトカイン環境によりその量が制御されているが、Notchシグナルは細胞周囲のサイトカイン環境に非依存的に、かつ同時にこれらの転写因子やサイトカインを制御することが示唆された。また、細胞周囲のサイトカイン濃度が低い程NotchシグナルがヘルパーT細胞のTh1やTh2などのサブセットへの分化に関与する割合が高くなることから、Notchシグナルは末梢におけるヘルパーT細胞の分化に必須の因子というよりはヘルパーT細胞が周囲のサイトカイン環境を感受する能力を増強する働きがあるのではないかと考察された。また、同様にNotchシグナルがIfngの発現を制御するメカニズムについても検討している。その結果、NotchシグナルはIfngの発現を直接的に制御しており、具体的にはT betと協調してIfng promotor領域に存在するエンハンサー(CNS-22領域)に直接的に結合することでその発現を制御していることが示唆された。
  • 湯野
  • 平山
  • 匂坂
  • 池田
  • 今村
9/20(金)
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
  • 藤枝

9/13(金)

JCのみ

  • 担当者:池田 徳典
  • 論文:
  • 要約:

 

 

9/6(金)

  • 担当者:入江 厚
  • 論文:
  • 要約:
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山

8/30(金)

  • 担当者:矢津田 旬二
  • 論文:Enhancement of tumor-reactive cytotoxic CD4+ T cell responses after ipilimumab treatment in four advanced melanoma patients
  • Shigehisa K, et al.
  • Cancer Immunology, doi: 10.1158/2326-6066, CIR-13-0068, 2013 (August)
  • 要約:CD4+ T細胞は、細胞傷害性CD8+ T細胞反応を増強し、維持することに寄与する。マウスモデルにおいて、CD4+ T細胞の直接的な殺細胞効果が示されたために、癌免疫療法において腫瘍反応性CD4+ T細胞を利用することとなった。またマウスモデルにおいてCTLA-4阻害剤は、抗原特異的細胞傷害性CD4+ T細胞を増加させることが明らかとなっている。著者らは、進行メラノーマ患者のipilimumab (抗CTLA-4モノクローナル抗体)治療後の抗原特異的CD4+ T細胞の量的、質的な変化を調べるために、NY-ESO-1癌精巣抗原の癌細胞からの自然免疫を利用した。4人のNY-ESO-1血清中の抗体陽性メラノーマ患者が選択され、患者血液を利用してエリスポットと細胞内サイトカイン染色と細胞毒性試験により、NY-ESO-1抗原特異的CD4+ T細胞の機能を特定した。ipilimumab治療後の全ての患者末梢血において、Th1優位な複数のNY-ESO-1抗原特異的CD4+ T細胞が新たに誘導されるか、もしくは血中の割合が増加した。ipilimumab治療後の全ての患者で、NY-ESO-1抗原特異的CD4+ T細胞ラインが樹立され、それらは抗原提示細胞上のナチュラルプロセスされたNY-ESO-1タンパクを認識し、マスター転写制御因子Eomesodermin (Eomes) を発現し、パーフォリンとグランザイムBを分泌していた。最後に、NY-ESO-1抗原特異的CD4+ T細胞は、患者より樹立したNY-ESO-1を発現したメラノーマ細胞株を直接溶解し、その反応は抗HLA-クラスII抗体で阻害された。これらの結果から、ヒト癌患者でipilimumab治療後に細胞傷害性CD4+ T細胞が誘導されたことが示された。ipilimumabはEomesを介して、抗原特異的細胞傷害性CD4+ T細胞にパーフォリン、グランザイムBの発現を誘導するという、免疫チェックポイント阻害剤の新たな効果を明らかにした可能性がある。
  • 粟井
  • Sayem
  • 矢津田
  • 黒田

8/5(月)

  • 担当者:粟井 博丈
  • 論文:Improved insulin sensitivity despite increased visceral adiposity in mice deficient for the immune cell transcription factor T-bet.
  • Stolarczyk E, et al.
  • Cell Metabolism 17: 520-533, 2013 (April)
  • 要約:糖尿病には、自己免疫のが原因とされる一型糖尿病と、患者の90%近くを占める二型糖尿病に分類される。肥満が大きなリスクファクターとされる二型DM患者は全世界で約371万人いるとされ、2030年までに550万人にまで増加することが予想されている。肥満と発症の頻度、病態の増悪度との相関は明らかとなっているが、その分子メカニズムについては未だ明らかでない。特に、糖尿病の初期病態であるインスリン抵抗性に対する、肥満における脂肪細胞自身や、それを取り巻く微小環境の変化の影響は不明である。
    本論文でDr. Jane Howardらのグループは、TH1細胞の分化に重要な転写因子であるT-betについて着目し、T-bet欠損マウスは、野生型マウスに比べて肥満傾向にあり、内臓脂肪が増加していることを報告している。しかし、T-bet欠損マウスは肥満であるにもかかわらず、野生型マウスに比べインスリン抵抗性が進行しなかった。これまで一般的に考えられてきた肥満とインスリン抵抗性との相関に反するこの表現型は、若齢、また高脂肪食を与えたT-bet欠損マウスでも観察された。一方、筆者らは、T-bet欠損マウスでは野生型マウスに比べて、脂肪細胞への免疫細胞の浸潤や、それに伴う炎症性サイトカインの増加が誘導されにくいことを見出した。さらにT-bet欠損に伴うインスリン抵抗性の誘導低下は、T/B細胞がいないRag2欠損マウス(T-bet-/- x Rag2-/-)では観察されなかった。逆にT-bet欠損CD4+T細胞をRag2欠損マウスに移入した際には、野生型CD4+T細胞を移入した場合と比較して、インスリン抵抗性が回復した。これらのことから、肥満や脂肪細胞自体の変化というよりむしろ、T-betの発現により制御される獲得免疫系、特にCD4+T細胞を介した免疫細胞の脂肪細胞への浸潤の調節が、肥満に伴うインスリン抵抗性、さらには二型糖尿病発症に重要であるという可能性が示唆された。
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
7/26(金)
  • 担当者:湯野 晃
  • 論文:Booster Vaccinations against Cancer Are Critical In Prophylactic but Detrimental in Therapeutic Settings.
  • Alessia Ricupito, et al.
  • Cancer Research 73: 3545-3554, 2013(June)
  • 要約:がんワクチンの臨床において有効性を向上させるための様々な課題があり、その一つにワクチンの再投与をどのように行うかという問題がある。そこで、予防目的・治療目的の2つの条件で腫瘍特異的なCTL反応を誘導するDCワクチンをマウス腫瘍モデルに投与し検討した。予防モデルにおいて、DCワクチンを投与することで、プライミングが起こり長期に渡るCTL反応が誘導された。再投与を行うことでセントラルメモリーT細胞が維持され、B16メラノーマに対して抵抗性を示した。また適切な間隔で再投与を行うことが重要であり、予防モデルにおいて頻繁に再投与を行うことで、IFN-γ産生メモリーCD8陽性T細胞が阻害され、生存率が低下した。逆に前立腺癌の治療モデルでは、再投与を行うことが有益どころか有害であった。DCによるプライミングは腫瘍の縮小、免疫系の賦活化、生存率の向上に必要であるが、再投与を行うことでセントラルメモリーT細胞が阻害され、生存率が低下した。このようにワクチンの再投与は異なる状況下では、異なった影響を抗腫瘍免疫に与える可能性があるため、がん患者の病状において考慮される必要がある。
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山
7/19(金)
  • 担当者:藤枝 浩司
  • 論文:Effective anti-neu-initiated antitumor responses require the complex role of CD4+ T cells.
  • Eric D.Mortenson, et al.
  • Clinical Cancer Research 19: 1476-86, 2013 (March)
  • 要約:近年、抗HER2/neu抗体療法において獲得免疫やCD8⁺T細胞の重要性が立証されてきているが、CD4⁺T細胞については明らかにされていない。そこで著者らは抗HER2/neu抗体療法におけるCD4⁺T細胞の役割について研究した。HER2/neuを過剰発現する乳がん細胞種TUBO 移植モデルマウスに対して、抗HER2/neuと抗CD4抗体を接種したところ、抗CD4抗体接種群はコントロール群に比べ腫瘍が増大した。さらに抗HER2/neu抗体投与により血清および脾臓のIFN-γ濃度が増加するが、抗CD4抗体接種群では、その上昇が抑制された。また乳がん細胞種TUBOは元来MHC-classⅡを発現していないが、IFN-γ接種後にはMHC-classⅡの発現が確認された。以上より、抗HER2/neu抗体療法ではIFN-γの上昇により、TUBO cell上にMHC-classⅡが発現し、CD4⁺T細胞が直接認識し抗腫瘍効果を発現する可能性が明らかとなった。
  • 粟井
  • Sayem
  • 矢津田
  • 黒田
7/12(金)
  • 担当者:匂坂 正孝
  • 論文:
  • 要約:
  • 湯野
  • 平山
  • 池田
  • 今村
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