2013年10月~12月

  

日程

Journal Club (8:30~9:30)

Progress Report (9:30~12:00)

2013年 平成25年)

 

Group-1

Group-2

12/20(金)
  • 担当者:平山 真敏
  • 論文:
  • 要約:
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山
12/6(金)
  • 担当者:MD Abu Sayem
  • 論文:Spatiotempolal Dynamics of Intratumoral Immune Cells Reveal the Immune Landscape in Human Cancer
  • Gabriela Bindea, et al.
  • Immunity 39: 782-795, 2013 (October)
  • 粟井
  • Sayem
  • 藤枝
  • 矢津田
  • 黒田
11/29(金)
  • 担当者:矢津田 旬二
  • 論文:Effect of Montanide and Poly-ICLC Adjuvant on Human Self/Tumor Antigen-Specific CD4+ T Cells in Phage I Overlapping Long Peptide Vaccine Trial
  • T. Tsuji, et al.
  • Cancer Immunology Research 1: 332-339, 2013 (November)
  • 要約:卵巣がん患者に対して、がん精巣抗原であるNY-ESO-1由来のオーバーラッピングペプチド(OLP)とMontanide-ISA-51(Montanide)とpoly-ICLCをアジュバントとしたワクチンは、複合的な免疫反応(抗体、CD4+、CD8+ T細胞)を誘導した。綿密な方法を用いて、poly-ICLCとMontanideのそれぞれのアジュバントの効果を、主な働きが抗体とCD8+ T細胞の誘導ど維持である、CD4+ T細胞でワクチン前後に解析した。ポリクローナルNY-ESO-1特異的CD4+ T細胞は12人の患者から誘導され、(i)OLP単独、(ii)OLPとMontanide、(iii)OLPとMontanideとpoly-ICLCでのワクチン前後で、CD154をマーカーとして前駆体の選別を行った。カイネティクス、定量、正確な特異性、結合活性、サイトカイン産生パターンをワクチンコーホート間で比較解析した。ワクチン前には、ナチュラルプロセスされたNY-ESO-1タンパクを認識する、高い結合活性を持ったNY-ESO-1特異的CD4+ T細胞前駆体が存在にしていたにもかかわらず、OLPとMontanideのエマルジョンは、高い結合活性を持ったNY-ESO-1特異的CD4+ T細胞前駆体の増殖に必要であった。Poly-ICLCは有意にCD4+ Th1反応を増強し、一方でIL-4産生Th2とIL-9産生Th9の誘導を阻害した。Montanideとpoly-ICLCは、NY-ESO-1特異的Th1細胞と複合的な免疫反応の誘導に、異なったあるいは協調的な作用をもつ。ヒト癌ワクチンにおいて、自己/腫瘍抗原由来のOLPによって抗腫瘍Ⅰ型免疫反応を陣族に誘導するために、Montanideアジュバントにpoly-ICLCを加えて使用するということを、これらの結果は支持する。
  • 湯野
  • 平山
  • 匂坂
  • 池田
  • 今村
11/22(金)
  • 担当者:
  • 論文:
  • 要約:
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
  • 藤枝
11/15(金)
  • 担当者:入江 厚
  • 論文:TH17 Cell Differentiation is Regulated by the Circadian Clock
  • Xiaogei Yu, et al.
  • Science 342: 727-730, 2013 (November)
  • 要約:体内時計は、昼夜の周期で変化する無数の生理的なプロセスを制御するが、獲得免疫系を制御するのか、制御するならばどのようにしてか、という問題に関してはほとんどわかっていない。IL-17産生CD4+ヘルパーT細胞(Th17)は、炎症誘発性の免疫細胞であり、粘膜での微生物やカビの感染から生体を守るはたらきを持つ。Th17細胞への分化は、孤児受容体Rorγt 遺伝子の制御を受ける。著者らは本論文で、転写因子NFIL3が直接Rorγt遺伝子のプロモーターに結合して、Th17細胞の分化を抑制することを示す。NFIL3はTh17細胞への分化を体内時計ネットワークを、転写因子REV-ERBαを介して結びつけている。そのため、Th17細胞への分化は昼夜で変化し、またREV/ERBα-/-マウスでは正常マウスと異なる。明暗の周期を撹乱すると、腸管のTh17細胞の割合が増加し、炎症性疾患を起こしやすくなる。以上から、重要な免疫細胞への分化は、概日制御の直接制御下にあることが示された。
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山
  • 匂坂

11/8(金)

  • 担当者:粟井 博丈
  • 論文:Aging predisposes to acute inflammatory induced pathology after tumor immunotherapy
  • Myriam N. Bouchlaka, et al.
  • The Jouenal of Experimental Medicine 210: 2223-2237, 2013 (October)
  • 要約:がんは壮年期以降に好発する老年疾患でもあり、がん患者の多くは高齢である一方、がんに対する免疫応答に関する基礎研究の多くは、若齢個体を用いて行われているのが現状である。老齢個体における免疫機構は、若齢個体のそれと著しく異なり、加齢に伴う免疫機構の変化を考慮に入れた研究が必要である。本論文では、若齢個体で有効とされる、抗CD40抗体/IL-2投与による免疫賦活がん免疫療法により起こる免疫応答と、加齢の影響を検討している。筆者らは、抗CD40抗体/IL-2投与による免疫賦活、あるいはLPS投与により、老齢個体では炎症性サイトカインの過剰産生に伴う多臓器不全、さらに致死性ショックが誘導されることを見出した。そして、いくつかの実験から、この免疫療法による老齢個体でのサイトカインストーム、それに伴う死亡は、T細胞およびNK細胞には依存せず、主にマクロファージによるTNF-α、IL-6産生、および肝臓、肺、腸などにおける組織障害が原因と考えられた。この結果と合致して、TNF-α欠損老齢マウス、あるいはTNF-α阻害薬であるEndrelを投与した老齢個体では、抗CD40抗体/IL-2による免疫賦活によるサイトカインストーム、組織障害、さらに死亡率が改善された。さらに重要なことに、TNF-αの阻害により、老齢個体においても免疫療法によるCD8+T細胞の増加、細胞傷害性活性の増幅が観察され、強い抗腫瘍効果が認められた。これらの結果から、老齢個体に対する免疫療法の適応には、加齢に伴う免疫システムの変化を考慮する必要性が示され、老齢個体において、より効率的な癌免疫療法の開発を目指す上で、TNF-αの活性阻害は特に有望であると示唆された。
  • 粟井
  • Sayem
  • 藤枝
  • 矢津田
  • 黒田
11/1(金)
  • 担当者:湯野 晃
  • 論文:EGFR inhibitors augment antitumour helper T-cell responses og HER family-specific immunotherapy
  • T Kumai, et al.
  • British Journal of Cancer 109: 2155-2166, 2013 (October)
  • 要約:頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)は世界的な癌死の主要因のひとつである。上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とした治療法はHNSCCにとって従来の癌治療に代わる魅力的な方法であるが、その有効性については異論があるのが現状である。T細胞を介した免疫療法はHNSCCにとって臨床効果を改善する有用な治療法として提案されてきた。本研究において、HNSCCに対するCD4陽性T細胞の反応を誘導するヒト上皮受容体(HER)ファミリーエピトープについて報告する。この結果はEGFRを標的とした治療とT細胞による免疫療法を組み合わせることによってHNSCCに対して優れた治療方法となる可能性を示唆している。方法:in vitroにおいて抗腫瘍免疫応答を誘導するEGFR由来のCD4陽性T細胞エピトープを予測し、評価した。加えて、EGFRインヒビターがHNSCC細胞株において腫瘍のMHCクラスII分子の発現を増加させる作用について評価し、次にT細胞との認識を増加させるか評価した。結果:いくつかの予測したエピトープの中で、EGFR975-889はHLA-DR4、DR15、DR53分子に拘束されるCD4陽性T細胞の反応を誘導し、プロミスカスなT細胞エピトープとして作用するペプチドであることが示唆された。ペプチドに反応するT細胞はEGFRを発現する腫瘍細胞ライセーとを負荷した自己の樹状細胞に反応を示したことから、このエピトープはナチュラルプロセスさせることが示唆された。加えて、CD4陽性T細胞はEGFRと適切なHLAクラスII分子を発現するHNSCC細胞を直接認識して殺すことができた。EGFR875-889エピトープに反応するT細胞がHNSCC患者の血液中に検出できた。EGFR875-889エピトープに反応するCD4陽性T細胞はEGFRファミリーに属するHER-2、HER-3、およびc-METの同一部位由来のペプチドのいくつかを認識できた。最後に、EFGRチロシンキナーゼインヒビターまたは抗EGFRによるCD4陽性T細胞の腫瘍に対する反応性について検討した。腫瘍細胞をEGFRインヒビターによって処理することで、おそらくHNSCC細胞におけるHLA-DRの発現が上昇し、EGFR875-889エピトープに反応するT細胞による腫瘍の認識が増大した。結論:EGFR由来の優れたCD4陽性T細胞エピトープを同定した。その中でもEGFR875-889エピトープはHERファミリーメンバーやc-METを発現する腫瘍に対して効果的な抗腫瘍T細胞応答を誘導できるプロミスカスなヘルパーT細胞エピトープである。これらの結果はHNSCCの治療としてT細胞による免疫療法の臨床応用を促進させ、EGFRの抑制と免疫療法との併用治療のエビデンスとなるであろう。
  • 湯野
  • 平山
  • 匂坂
  • 池田
  • 今村

10/25(金)

  • 担当者:藤枝 浩司
  • 論文:Resroring Immune Function of Tumor-Specific CD4+ Cells during Recurrence of Melanoma
  • StephenR. Goding, et al.
  • The Journal of Immunology 190: 4899-4909, 2013 (May)
  • 要約:固形悪性腫瘍は標準治療に難治性であり、養子免疫療法による治療効果は個人差が大きい。そこでマウス悪性黒色腫を用いて、養子免疫療法による治療効果の個体差について調べた。養子免疫療法後の再発癌においてはCD4+ T細胞の60%がPD-1陽性となっており、エフェクターCD4+ T細胞はPD-1、TIM-3、2B4、TIGIT.LAG-3が高率に発現しており、慢性的な消耗状態にあった。また再発癌に対し単独でTregをDepletionする治療や抗PD-1抗体を投与する治療は効果がなく、お互いを併用することにより腫瘍の減退を認めた。さらにTregをdepletionする代わりに抗Lag-3抗体を投与することで同様の効果を得られることが明らかとなった。一方で、養子免疫による初期治療を行う場合は、Tregをdepletionするか抗PD-1抗体を投与するかのいずれかだけで治療に成功した。今後再発癌に対する治療では、PD-1、Lag-3をターゲットにした治療の併用が望まれる。
  • 入江
  • 矢津田
  • 黒田
  • Sayem
  • 藤枝
10/18(金)
  • 担当者:匂坂 正孝
  • 論文:Up-Regulation of PD-L1, IDO, and Tregs in the melanoma tumor microenvironment is driven by CD8+ T cells
  • Stefani Spranger, et al.
  • Science Translational Medicine 200: 200ra116, 2013(August)
  • 要約:腫瘍の免疫系からの逃避はT細胞活性化を抑制する免疫抑制機構と関連している。CD8+ T cellの浸潤を含む活性化免疫反応のエビデンスは、ある患者集団において認めるにもかかわらす、これらの腫瘍は免疫学的に拒絶されない。近年の報告で、我々は3つの免疫抑制機構の高発現を示す炎症性T細胞腫瘍のサブセットを示している。indoleamine-2, 3-dioxygenase (IDO)、PD-L1/B7-H1、FoxP3+制御性T細胞 (Tregs)の3つの免疫抑制経路は先行するというよりはむしろCD8+ T cellの浸潤に引き続くネガティブフィードバック機構として機能しているようだ。マウスの機構的な研究により腫瘍微小環境においてTregの集積と同様にIDO、PD-L1の発現増加がCD8+ T cellの存在に依存していることが明らかになった。IDO、PD-L1の発現増加はIFN-γにより制御され、Tregの集積は増殖を誘導する成分と共にCCR4結合ケモカインの産生によって起こっていた。我々の研究の結果から、これらの主要な免疫抑制経路はがん細胞によって編成されるというよりもむしろ免疫システムに本来備わったもので、ネガティブな制御性免疫チェックポイントを標的とした腫瘍免疫療法のアプローチが、既に炎症性T細胞腫瘍の微小環境のある患者にとっては優先的に有益であることが示唆される。
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 湯野
  • 平山
  • 匂坂
10/11(金)
  • 担当者:今村 悠哉
  • 論文:Antiapoptotic Mcl-1 is critical for the survival and niche-filling capacity of Foxp3+ regulatory T cells
  • Wim Pierson, et al.
  • Nature Immunology 14: 959-965, 2013(September)
  • 要約:regulatory T(Treg) cell は免疫抑制に重要な細胞であるが、Tregを維持するためのhomeostasisやsurvivalprogramはまだわかっていない。今回の論文で末梢におけるTreg cell の動態、アポトーシス経路について報告する。Treg cell は末梢において減少した場合、速やかに増殖すると共にアポトーシスを抑制して数日以内に減少前の細胞数となる。この増殖速度はconventional T cell と比較し約2倍の速度である。また、Tref cell が一過性に通常時より増加した場合はBim、Bax、Bakにより内因性のアポトーシス経路が活性化され、Treg cell は適度な数に保たれる。一般的にBcl-2やBcl-xlは抗アポトーシス経路において必須の遺伝子であるが、Treg cell においてはこれらを欠損させても細胞数に変化なく、必ずしも必要ではない。一方Mcl-1を欠損させた場合、Treg cell は著しく減少し、Mcl-1が欠損したマウスはfatal immunpathologyにより4-8週で死亡してしまう。また、Mcl-1はTreg cell において抗アポトーシスに必須であり、IL2によって発現は増加し、アポトーシスを活性化するBimによって発現が抑制される。
  • 粟井
  • Sayem
  • 藤枝
  • 矢津田
  • 黒田
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