2015年1月~3月

  

日程

Journal Club (8:30~9:30)

Progress Report (9:30~12:00)

2015年 平成27年)

 

Group-1

Group-2

3/13(金)
  • 担当者:MD Abu Sayem
  • 論文:High-throughput epitope discovery reveals frequent recognition of neo-antigens by CD4+ T cells in human melanoma
  • Carsten Linnemann et al.
  • Nature Medicine 21: 81-85, 2015(January)
  • 平山
  • 匂坂
  • 中根
  • 池田
  • 今村
2/27(金)
  • 担当者:入江 厚
  • 論文:The long intergenic noncoding RNA landscape human lymphocytes highlights the regulation of T cell differentiation by linc-MAF-4.
  • Valeria Ranzani, et al.
  • Nature Immunology 16: 318-325, 2015(January)
  • 要約:
  • 入江
  • Sayem
  • 黒田
  • 藤枝
  • 小島
2/20(金)
  • 担当者:藤枝 浩司
  • 論文:
  • 要約:
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 平山
  • 中根

2/13(金)

  • 担当者:小島 拓
  • 論文:Inactivation of PI(3)K p110δ breaks regulatory T-cell-mediated immune tolerance to cancer
  • Khaled Ali, et al.
  • Nature 510: 407-411, 2014
  • 要約:ホスホイノシチド3-OHキナーゼ(PI3K)のp110δアイソフォームに対する阻害剤は、一部の白血病で注目すべき治療効果を示している。p110δは主に白血球に発現しているので、p110δに対する薬剤が固形腫瘍の治療用に検討されたことはなかった。今回我々は、マウスでのp110δの不活性化が、非血液性の固形腫瘍を含むさまざまながんを防止することを報告する。制御性T細胞でのp110δの不活性化は細胞傷害性CD8+ T細胞を活動性にし、腫瘍退縮を誘導することが実証された。p110δの阻害剤は腫瘍誘導性の免疫寛容を抑えることができ、腫瘍治療においてもっと幅広い使用が検討されるべきであろう。
  • 粟井
  • 藤枝
  • 小島
  • Sayem
1/30(金)
  • 担当者:中根 未季
  • 論文:Predictive correlates of response to the anti-PD-L1 antibody MPDL3280A in cancer patients
  • Roy S. Herbst, et al.
  • Nature 515: 563-567, 2014
  • 要約:ヒトのがんの発生は、遺伝的およびエピジェネティックな変化の蓄積を特徴とする多段階の過程であり、こうした変化は腫瘍のプログレッションを駆動していて、また反映もしている。このような変化によってがん細胞とそれに対応する正常な細胞が区別され、免疫系は腫瘍を異物と認識できるようになる。しかし、腫瘍が自然に拒絶されることはまれで、それは免疫抑制性の微小環境を維持する能力を持っているからである。多くのがんや免疫細胞で発現しているPD-L1 (programmed death-ligand 1; 別名B7-H1またはCD274)は、Tリンパ球活性化の負の調節因子であるPD-1 (programmed death-1) やB7.1 (CD80)に結合することで、「がん免疫サイクル」の阻害に重要な役割を担っている。PD-L1が受容体に結合すると、T細胞の移動や増殖、細胞毒性因子の分泌が抑制され、腫瘍細胞の殺傷が制限される。PD-L1-PD-1経路は、がんだけでなく、微生物感染においても、エフェクターT細胞の過剰活性から宿主を保護している。従って、PD-L1の阻害は抗がん免疫を増強すると思われるが、効果の予測因子についてはあまりわかっていない。本論文では、ヒト化改変抗体MPDL3280Aを使ったPD-L1阻害の安全性、活性、バイオマーカーの評価を設計した。筆者らは、複数種のがんにおいて、反応(固形がんの治療効果判定のためのガイドライン、バージョン1.1によって評価)が、PD-L1を高レベルで発現する腫瘍を持つ患者で、特にPD-L1が腫瘍浸潤性免疫細胞で発現しているときに観察されることを示した。さらに、反応はベースライン時の腫瘍検体での1型ヘルパーT細胞(TH1)の遺伝子発現、CTLA4の発現、フラクタルカイン(CXCL1)の欠如と関連があった。以上の結果を合わせると、MPDL3280Aは、既存の免疫がPD-L1で抑制されていて、抗体治療によって再活性化された患者で最も効果的であることが示唆された。
  • 平山
  • 匂坂
  • 中根
  • 池田
  • 今村
1/23(金)
  • 担当者:粟井 博丈
  • 論文:The RAG Recombinase Dictates Funvtional Heterogeneity and Cellular Fitness in Natural Killer Cells
  • Jenney M. Karo, et al.
  • Cell 159: 94-107, 2014 (September)
  • 要約:RAG (recombination activating gene) 1とRAG2の分子複合体は、B細胞の免疫グロブリン、およびT細胞のT cell receptor(TCR)をコードする遺伝子の再構成において重要な役割を果たし、T細胞およびB細胞を介した獲得免疫の根幹をなす「多様性」を付与するための必須の分子である。RAG1/RAG2を欠損する場合、B細胞、T細胞がともに欠如する一方、自然免疫システムと獲得免疫の橋渡し役として働く第3のリンパ球であるNK細胞は、Ommen症候群を含む重症複合免疫不全症(SCID)でも検出されるため、RAG1/2の発現はNK細胞には必ずしも必要ないと考えられてきた。しかし、本論文により、NK細胞におけるRAG1/2の重要性について、これまで報告のない新たな知見が報告されたので紹介したい。筆者らは、これまでT,B細胞にのみ発現が限定されると考えられていたRAG1の発現パターンに着目し、RAG1の発現をモニターする新たなマウスを用いることにより、NK細胞全体の40%にも及ぶ細胞にRAG1の発現の痕跡を見出した。詳細な検討により、末梢に存在するNK細胞では、RAGの発現および活性は全く検出できないが、NK細胞の分化過程においてRAG1を発現しなかった細胞は、過去にRAG1を発現したことがあるNK細胞に比べて、より活性化して強い細胞傷害活性を有するKLRG1hiCD27loCD11bhiの表現系を持つことを明らかにした。このRAGの発現を経験しないterminally differentiated NK細胞は、アポトーシス感受性が高く、マウスサイトメガロウイルス(MCMV)感染モデルを用いた場合、末梢で十分に増幅することなく直ちに死んでしまう。この発見と合致して、RAG1/2欠損マウス由来のNK細胞は、terminally differentiationの表現型を呈し、MCMV感染に伴う細胞増幅が減弱していた。さらに、RAG発現不全を伴うNK細胞では、ゲノム不安定性、あるいはDNA double-strand breaks(DSBs)の指標となるg-H2AXのリン酸化が亢進しており、DSBsを修復するDNAダメージ反応を担う分子群の発現低下が観察されたことから、アポトーシス高感受性の原因は、DNAダメージ修復の不全にあることが示唆された。詳細なメカニズムは不明であるが、本論文の結果より、NK細胞が分化・成熟する過程においてRAG1/2分子複合体は、DNAダメージに対する耐性をプログラミングすることを介して、NK細胞の機能、あるいはメモリー形成を規定する重要な因子として機能することが予測された。また興味深いことに、DSBsに関連したアポトーシス高感受性はNK細胞だけでなく、RAG欠損マウス由来CD8+T細胞、さらにinnate lymphoid cellsにおいても観察されることから、RAGのT細胞を含めたリンパ球に対する新たな機能が示唆された。そして、これらの発見は、RAG1/2の機能不全、欠損を伴うヒト免疫不全症の病態の解明に対して考慮されるべき重要な知見であると考えられる。
  • 入江
  • Sayem
  • 黒田
  • 藤枝
  • 小島
1/16(金)
  • 担当者:藤枝 浩司
  • 論文:
  • 要約:
  • 千住
  • 池田
  • 今村
  • 平山
  • 中根
1/9(金)
  • 担当者:今村 悠哉
  • 論文:Checkpoint blockade cancer immunotherapy targets tumor-specific mutant antigens
  • Matthew M. Gubin, et al.
  • Nature 515: 577-581, 2014 (November)
  • 要約:活性化されたCD8T細胞はCTLAやPD-aを発現する。CTLA-4は樹状細胞などの抗原提示細胞のCD80、86と結合し、PD-1は腫瘍細胞などに発現しているPD-L1と結合することにより、CTLは活性化能を失いアポトーシスする。免疫の過剰な活性化を抑制するための一つとしてこの機序は機能しているが、抗腫瘍免疫においては逆に足枷となり、抗腫瘍免疫が機能しない原因の一つとなっている。そこで腫瘍免疫においてCTLA-4やPD-1をブロックする抗CTLA-4抗体や抗PD-1抗体を用いた治療(Checkpoint blockade)が行われ、抗腫瘍効果も認められている。しかしながら、Checkpoint blockadeがどのような機序で抗腫瘍効果を発揮するかはまだわかっていないため、今回の論文ではその機序を明らかにした。多数のmutationを有するMCA darcoma (d42m1-T3)を投与されたマウスにおいてwtLama4、wtAlg8ペプチドに比べmutation Lama4(mLama4)、mAlg8ペプチドに特異的なCTLを有意に認めた。mLama4、mAlg8に特異的ではないCTLではCheckpoint blockadeを行っても遺伝子レベル、蛋白発現レベルにおいて特に違いを認めなかったが、mLama4、mAlg8ペプチドに特異的なCTLではCheckpoint blockadeによりexhaust CD8 T Cellで発現が上昇するTIM-3やLAG-3の発現は低下し、逆にNFAT signaling、JAK-STAT signaling、代謝系などエフェクターT細胞で活性化されるものはより活性化されており、CTLの機能活性を認めた。今回の実験でmutationのあるペプチドに特異的なCTLにおいてよりCheckpoint blockadeの効果を認めた。腫瘍の遺伝子を解析し、有効なペプチドを同定できればCheckpoint blockadeとペプチドワクチン療法の併用療法により効果の高い治療ができる可能性が示唆された。
  • 粟井
  • 藤枝
  • 小島
  • Sayem
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